血液内科とは|診察や主な血液疾患について

血液内科白血病・治療

血液内科を知っていますか?

ご自分や家族が血液内科を受診した経験がある方以外、知っている方は少ないんじゃないでしょうか。私は夫が血液内科を受診するまで、そんな科があることも知りませんでした。

あまり受診することのない、血液内科のことを簡単に説明したいと思います。

血液内科

【血液内科】
血液の病気全般を診察する科

大きな病院でないと血液内科がないので、血液内科を知らない方も多いです。

【血液内科の主な疾患】

造血器腫瘍(骨髄細胞の腫瘍)

急性白血病(急性骨髄性白血病、急性リンパ芽球性白血病)、骨髄異形成症候群(MDS)、慢性骨髄性白血病、骨髄増殖性腫瘍(真性多血症、本態性血小板血症、原発性骨髄線維症)、慢性骨髄単球性白血病

造血器腫瘍(リンパ球の腫瘍)

急性白血病(急性リンパ芽球性白血病)、リンパ腫(⾮ホジキンリンパ腫、ホジキンリンパ腫)、成人T細胞白血病/リンパ腫、慢性リンパ性白血病、原発性マクログロブリン血症、多発性骨髄腫

貧血性疾患

再生不良性貧血、骨髄異形成症候群(MDS)、⾃⼰免疫性溶血性貧血、悪性貧血・ビタミンB12⽋乏性貧血、鉄⽋乏性貧血

血小板の異常

免疫性血小板減少症(ITP, 特発性血小板減少性紫斑病)

こんなにもたくさんの血液疾患があります。白血病は有名ですが、他の病名はあまり聞かないですよね。

このような血液疾患を診察するのが血液内科です。

参考 東京北医療センター

血液内科の外来受診

血液内科の受診では必ず血液検査があります。

病院や病気によって違うでしょうが、夫の場合毎回5~7本採血されます。

必要な事なのはわかっていても、ただでさえ貧血なのにこんなに血を抜いて大丈夫なのかと、毎回心配します。

血液検査の結果が出るのには時間がかかるので、夫の病院では予約時間の1時間半前に採血が必要です。病院は待ち時間が長いですが、しょうがないですね。

診察室では、主治医が血液検査の結果を確認しながらの診察です。

血液検査の結果を教えてくれると思いますが、白血球、ヘモグロビン、好中球、血小板など言われても、初めのころはまったくわからないと思います。

項目がたくさんあるので、「何を注意して見なければいけないのか」を聞いてください。そして後から自分でも調べるといいですね。

血液疾患では血液検査の結果がとても重要です。
なので、何も知らないよりは少しでも知っておくことが、治療の為にも大切です。

血液検査の結果によっては、そのまま「入院」と言われることも結構あります。

これは、
血液が命に関わること』だからです。

【好中球の減少】
血液疾患では免疫力が低下することが多く、通常ではかからない日和見感染症から重篤な状態になることがあります。

【ヘモグロビンの低下】
貧血の目安です。重度の貧血には輸血が必要になります。

【血小板の減少】
血小板が少ないと、出血しやすく止まりにくいので、血小板の輸血が必要です。

【CRP】
この数値が高いと、体のどこかが炎症を起こしています。

夫はこの「好中球・ヘモグロビン・血小板・CRP」の数値が悪いときに、当日入院を何度かしています。

「急性骨髄性白血病」と診断されると、そのまま家に帰ることなく入院することも多いです。

夫の場合は「急性骨髄性白血病」でも「白血球が減るタイプ」だったので、入院ではなく貧血が酷いときに「輸血」をする支持療法をしながらの経過観察でした。

このように同じ「急性骨髄性白血病」でもいろいろありますし、同じ病気でも人それぞれ症状や治療方法が違います。

血液検査のほかに、レントゲン、CT、MRI、などの検査をすることもあります。

検査では通常の血液検査のほかに、骨髄穿刺があり、特に白血病では欠かせない検査です。(骨髄検査についてはこちら

輸血

血液疾患では輸血が必要なことが多くなります。

【輸血の種類】

  • 赤血球輸血
  • 血小板輸血
  • 血漿から作られる血液製剤

血液内科の主な治療

  • 支持療法(輸血など)
  • 免疫抑制療法
  • 化学療法(抗がん剤)
  • 放射線治療
  • 造血幹細胞移植(骨髄移植など)

造血幹細胞移植では、無菌室(クリーンルーム)が必要になります。

抗がん剤治療でも、免疫力が低下した状態で感染症にかかると命にかかわるので、クリーンルームに入ることがあります。設備があるのは大きな病院だけだと思います。

まとめ

血液内科を少し知ってもらえたと思いますが、血液疾患の患者にとても大切なのが輸血です。

赤血球輸血はひと目で血液だとわかりますが、血小板輸血は黄色の液体なので、血液からできていることを知らない方もいます。

血漿から作られる血液製剤は(免疫グロブリンなど)見た目も名前も、血液から作られていることは説明がないと分かりません。

これらは全て、無償のボランティアとして献血していただいた血液からできています。

今、2020年3月新型コロナウイルスの影響で、献血が減っていることがニュースになっています。

日本赤十字社
新型コロナウイルス感染症の拡大により、献血協力者の深刻な減少が続いています。 輸血用血液の在庫量が不足し始めている地域が発生し、全国的にこの状況で推移すると、必要な輸血用血液の供給に支障が出てまいります。こうした状況の中でも、成分献血を含め、毎日約13,000人の献血協力が必要です。 何卒、献血へのご協力をお願い申し上げます。

献血のご予約をお願いします
新型コロナウイルスの感染拡大のリスクを避けることや、日々必要な血液を安定的に医療機関へお届するため、献血される方が一時期に集中しないよう、可能な限り、前日の17時までに献血のご予約をお願いします。 そのため、献血日の調整をご相談させていただくことがございますので、皆様のご理解とご協力をお願いいたします。

献血ルームでのご予約は当該献血ルームまでご連絡ください。
日本赤十字社ホームページ

献血バス会場でのご予約は各都道府県の血液センターまでご連絡ください
全国の血液センター一覧

2020年3月2日 日本赤十字社

血液疾患の患者は新型コロナウイルスも怖いですが、輸血ができなくなると命に関わります。もしこれを読んでくださる方が健康な体をお持ちなら、どうか献血をお願いします。