抗がん剤についてのデマ
「アメリカでは抗がん剤は使われていない。」
「WHOは抗がん剤使用を禁止している。」
こんな噂をネットで見ましたが、これは全くのデマです。
アメリカに住んでいるとき、夫の知り合いは何人か抗がん剤治療をしていました。ブログで、自分の抗がん剤治療をしたことを紹介している、アメリカ在住の方もいます。
では「WHOは抗がん剤を禁止しているのか」
WHOは抗がん剤を禁止などしていません!
なぜこんなデマが広がっているのかと言えば、
抗がん剤治療
確かに抗がん剤には良い面だけでなく、副作用という悪い面もあります。
しかも、抗がん剤をしてつらく苦しい思いをしても、絶対に治るとは限りません。
それでも、抗がん剤治療をしたおかげで助かった方も多くいますし、余命宣告よりも何年も生きることができた方もいます。
夫は膀胱癌で、抗がん剤をしています。
急性骨髄性白血病の治療では、抗がん剤が欠かせません。
白血病に使用する抗がん剤は、副作用がきつい事を知っていたので、
「つらく苦しい思いをしても50%しか治らないなら、果たして治療に臨んで良いのだろうか」
そう何週間も悩みました。
夫の場合、輸血などの対症療法で治療を先延ばしにすることは出来ましたが、夫と相談し「絶対に白血病を治したい」と言う思いを聞いて、治療を決意しました。
抗がん剤治療の副作用は壮絶でした。
あの姿を見ると、「抗がん剤は悪いもの、してはいけない」と思うのも無理のない事です。
夫は白血病の治療の為、抗がん剤を4回しています。毎回副作用に苦しみましたが、頑張って乗り越えてきました。
残念なことに肺炎になってしまい、2カ月後亡くなりました。
でも、夫は最後まで諦めず、肺炎を治し、再び白血病の治療を続けるつもりでした。
つらい副作用を何度も経験しても、それでも治療を続けるつもりでいた夫を私は尊敬します。もし私だったら、やりたくないと逃げていたかもしれません。
抗がん剤を迷っている方へ
私は抗がん剤治療が絶対だとは思っていませんし、抗がん剤治療をするかしないかは、患者さんが選ぶものだと思っています。
がんを告知され、藁にもすがりたくなる気持ちは本当に良くわかります。
「WHOは抗がん剤を禁止している」
「アメリカでは抗がん剤は使われていない」
「抗がん剤は悪いもの」
こんなデマを信じて、抗がん剤を拒否するようなことだけはしないで下さい。
がんと闘う皆様が、元気になることを心から願っています。