白血病の説明と治療方法|夫の症状と治療について

白血病・治療

白血病

白血病のことを知っていますか?

血液のがんで命にかかわる病気、骨髄移植が必要

そんなイメージを持っていた私ですが、思いがけず夫が白血病と診断され、ネットや本を読み漁りました。

昔は不治の病と言われていましたが、今では治せる病気になっています。そのとき調べた白血病のことや夫の治療過程など、簡単に解説します。

白血病とは

【白血病】
血液のがんと言われ、正常な血液を作れなくなる病気
・急性骨髄性白血病
・慢性骨髄性白血病
・急性リンパ性白血病
・慢性リンパ性白血病 など

白血病は一種類ではなく何種類もあり、人により症状も治療方法も違います。

夫が診断された急性骨髄性白血病だけでも何種類かあります。

夫は急性骨髄性白血病と診断されましたが、白血球が減るタイプだったので、同じ症状のことを詳しく書いてあるものは、探してもほとんどありませんでした。

白血病の症状

癌化した白血病細胞が増えて正常な血液が造れなくなります。

  • 赤血球減少 貧血・息切れ・動悸・倦怠感
  • 白血球減少 感染による発熱
  • 血小板減少 あざ・赤い点状の出血斑・鼻血・歯茎の出血 など

夫の場合、後から考えるとどの症状もありました。

【他の症状】

  • 原因不明の足の痛みで歩行困難
  • 杖がないと歩くこともできない状態
  • 歩く速度が遅くなる
  • 休み休みしか歩けない。
  • 疲れや倦怠感

白血病の診断

白血病や血液の病気には『骨髄穿刺』が欠かせません。

【骨髄穿刺】
腰から骨髄に針を刺し骨髄液を採取する検査。

※夫の骨髄穿刺の様子はこちら

夫は泌尿器科で膀胱温存療法を受けた後、白血球数が戻らないことから何年も血液内科に通いました。

徐々に血液の数値が悪くなり、どの時点で白血病になっていたのかわかりませんが、仕事のこともあり病名がはっきりすればと思い骨髄穿刺をうけました。

検査前、主治医は白血病ではなく違う病気だと思っていた様子でした。

白血病の治療

急性白血病と診断された方はすぐに治療に入らないと、命を落とす可能性が高く即入院になることが多いです。
夫は急性白血病と診断されましたが、治療に入るまで10カ月かかりました。

これは体調の変化で病院を受診し病気が発覚、すぐに治療をする方が多い中、かなり異例だと思います。

この10カ月は支持療法として輸血をしていました。

体調の悪い日が増えて、感染症で入院することもあったので、白血病の治療に入る決断をすることになりました。主治医にはもう少し様子をみてもいいと言われましたが、先の事を考えるとそうは言ってられない状況でした。

急性骨髄性白血病の治療は、まずは化学療法の抗がん剤治療です。

寛解導入療法(かんかいどうにゅうりょうほう)

治療の第一段階。

骨髄中に存在する白血病細胞をなくすために抗がん剤を投与

【抗がん剤】
・キロサイド 24時間の点滴を5日間
・イダマイシン 約1時間の点滴を3日

「キロサイド」「イダマイシン」の2種類を点滴で投与。

※これは夫の症状に合わせた抗がん剤の量なので5日間でしたが、一般的な急性骨髄性白血病の抗がん剤は7日間の投与が多いそうです。

◇前日に、首から中心静脈カテーテルを入れます。
抗がん剤、栄養剤、抗生剤などこのカテーテルから点滴します。
(中心静脈カテーテルについてはこちら

抗がん剤は悪い細胞をやっつけてくれますが、正常な血液細胞も減らすことになります。そのため体の状態を知るために、何度も血液検査が必要になります。

【定期的な血液検査】
・赤血球が減りヘモグロビン量が下がると貧血になるので、輸血が必要
・血小板が減ると出血しやすくなるので、血小板の輸血が必要

◇赤血球の輸血 赤い液体
◇血小板の輸血 黄色い液体

副作用

抗がん剤投与の間、夫の副作用は発熱、腹痛、食欲減退でした。

問題なのはこの後で、説明されたのは

約2週間後免疫力が一番下がる頃なので、感染症にかかりやすく重篤な症状がでる可能性が高い」

実際に起きた症状は

  • 体の震えと高熱の悪寒戦慄
  • 胃の痛み
  • 下痢
  • 食欲不振
  • 味覚障害
  • 眼底出血
  • 体のあちこちに赤点斑
  • 歯茎の出血 など
◇一般的な副作用◇
吐き気・嘔吐・アレルギー反応・下痢・食欲低下・全身倦怠感・便秘・皮膚障害・肺障害・発熱・口内炎・脱毛・ 白血球、好中球、血小板低下・貧血 など
患者さんによって副作用がいろいろ出る方もあれば、あまり出ない方もあり、人それぞれです。

夫は毎日抗生剤の点滴を朝晩受け

  • /解熱剤
  • 食欲不振/栄養剤の点滴
  • 体の痛み/鎮痛剤
  • 貧血/赤血球輸血
  • 血小板減少/血小板輸血
  • 眼底出血/眼科の受診 など

それぞれ対応してもらいました。

抗がん剤の投与後、約3週間頃から徐々に血液が回復。

血液がある程度回復したら「骨髄穿刺」をし、白血病細胞がなければ「寛解」となります。

【寛解】
検査結果でがん細胞の存在を確認できなくなった状態。 寛解になってもがん細胞は体内に残っていて治療を継続しなければ 再発するため完治とは違う。寛解の状態が続く様に地固め療法が必要です。

地固め療法(じがためりょうほう)

寛解の状態になれば体を休ませるために一度退院をします。

期間は人によって違いますが1週間~1カ月くらい。その後再び入院して一度目と同じように、抗がん剤投与します。

これを何度か繰り返します。
治療前の説明では、夫はこの地固め療法を3回行う予定)

追記 2020年4月入院。地固めの予定でしたが、夫の状態が悪く白血病に使う抗がん剤では負担が大きすぎるので、MDS(骨髄異形成症候群)に使われる抗がん剤を使うことになりました。

造血幹細胞移植

抗がん剤の治療だけでは治療結果が思わしくなかった場合や、再発すれば移植が必要になります。

  • 骨髄移植
  • 末梢血幹細胞移植
  • さい帯血移植

まとめ

以上が白血病の簡単な説明です。

夫が白血病と診断されてから今までのことも紹介しましたが、現在も治療中です。

白血病は治療期間も長く副作用もつらいです。でも、諦めずに再び普通の生活を送れるように頑張っています。

もし白血病と診断された方が読んでくださったなら、ご自身の症状や治療方法とは同じではないと思います。それは白血病も種類があり、個人差があるからです。

使用する抗がん剤も違ったものになるでしょうし、副作用も人それぞれです。

同じ様に白血病と闘っている患者さんは多くいます。いつの日か治療は大変だったけど頑張って良かったと笑える日が来ますように。

白血病の治療は時間がかかります。
体の事、精神面、生活やお金のこと、一人では大変なので周りに頼って少しでも楽に治療に臨んでください。