抗がん剤の副作用で、夫にはさまざまな症状が出ました。
そのうちの一つ、「味覚障害」については何度か紹介しましたが、2度目の抗がん剤治療では、味覚だけではなく嗅覚にも異常がでました。
嗅覚過敏についてと夫の症状を紹介します。
嗅覚障害
・嗅覚の低下ー匂いがしない、感じにくい
・嗅覚過敏 ー匂いに敏感になり少しの悪臭にも耐えられない
・嗅覚錯誤 ー本来とは異なる匂いに感じる
など嗅覚の異常を嗅覚障害といいます。
【原因】
- 副鼻腔炎・アレルギー性鼻炎など(鼻づまり)
- ウイルスによる炎症(鼻の粘膜が匂いを感じとれない)
- 加齢・頭部の外傷・腫瘍(中枢神経の障害)
薬の副作用や、ストレスなど精神的ショックにより嗅覚障害が生じる場合もあります。
【治療】
最も多いのが副鼻腔炎を原因とするもので、抗生剤やステロイド点鼻薬を使用します。アレルギー性には薬のほかステロイドの内服をする場合もあります。
治療にはステロイド点鼻薬とビタミン剤、薬の内服になります。
夫の症状 嗅覚過敏
嗅覚が異常に敏感になる症状
匂いを強く感じたり、かすかな匂いでも感じたり、匂いによるストレスを感じる。
人が良い香りだと感じる匂いでも、嗅覚が敏感になることにより、その匂いを不快だと感じるようになります。
酷いときは頭が痛くなったり、嘔吐したりすることもあります。人それぞれダメな匂いが違うので、自分で不快だと思う臭いをなるべく避けるしかないですね。
夫は2度目の抗がん剤治療の時も副作用で味覚障害になりました。それだけではなく嗅覚過敏の症状もありました。
入院中 食べ物・牛乳・風呂場・看護師さん
退院後 食べ物・道ですれ違う人・たばこ
「食べ物の匂い」
食べ物の匂いが気持ち悪くなり、味覚障害と合わさり食べられるものがほとんどなく、口にできるものはわずかでした。
「牛乳」
小パックのストローで飲む牛乳は大丈夫でしたが、コップに入れた牛乳は「腐った臭いがする」と。(これはもちろん新しい牛乳で、腐ってはいません)
「風呂場」
病院のお風呂ですが、浴室に入ると臭いが気になるようになり、一番風呂でないと辛いので、いつも朝1番か昼1番を希望していました。
「看護師さんの匂い」
少し困ったのが、今までは気にならなかった看護師さんの匂いも気持ち悪く感じるようになったことです。
このときは個室に入っていましたが、1日に何度も体温・血圧測定、点滴交換・確認、など看護師さんが来るたびに気になるようになり、ドアを開けて入ってきただけで「臭い」と感じていたそう。
原因
この嗅覚過敏の原因ははっきりしませんが、薬の影響も多少あるかもしれないけれど、1番は精神的な物だと思っています。
入院生活も当初の予定よりも長くなり、抗がん剤の副作用だけでなく感染症にも苦しみ、2度目の抗がん剤治療は1度目に比べても本当に大変なものでした。
高熱が続き体調が悪くなったので、大部屋に入っていましたが、個室に移動することになり退院するまでこの部屋にいました。
個室に入れてもらったのは良かったんです。
でも、大部屋では窓側のベッドで外に見えるのが病院の正面。道路があり人の流れや車が走っているのが見え、動きがあり太陽の光も入りました。
一方、個室の窓から見えるのは、隣の病棟。
このころから嗅覚が過敏になりだしたので、精神的なものが原因で発症したと思っています。
嗅覚過敏は重篤な症状ではないかもしれませんが、実際にはとても厄介な症状です。
本人にしかわからない症状なので、なるべく匂いのキツイものや「臭い」と感じるものは、持って行かないようにしていましたが、他人の匂いはどうにもできませんよね・・・
良い香りだと思うものがあれば近くに置いておくか、症状が治まるのを待つしかありません。
再入院