抗がん剤治療|中心静脈カテーテル夫の経験談

白血病・治療

中心静脈カテーテルを知っていますか?

何も知らなかったので、首から太い血管にカテーテルを入れると聞きましたが、それが心臓の近くまで入っていることを知ったのは、何日も経ってからでした。

中心静脈カテーテルの説明と夫が処置されたときの様子を紹介します。

中心静脈カテーテル

【中心静脈カテーテル】
鎖骨や首、太ももの付け根にある血管から挿入し、心臓近くの中心静脈という大きな血管に入れたままにするカテーテル。挿入口から15センチほどカテーテルが出ている形になり、このカテーテルに点滴用の管を繋げて点滴します。

中心静脈カテーテルのメリット、デメリット

【メリット】

  • カテーテル内に複数の内腔があり同時投与ができる
  • 抗がん剤や輸液など腕よりも多くの量を入れることができる
  • 血管が太く血流が多いので、血管への影響が少ない
  • 長期間入れたままに出来るので、針の差し替えをしなくていい

【デメリット】

  • 感染症に罹るリスクがある
  • 挿入時に重大な合併症が起こる可能性がある

抗がん剤治療

抗がん剤

白血病の治療と言えば、骨髄移植を思い浮かべる方も多いかと思いますが、
まずは化学療法(抗がん剤)です。

これは白血病の種類がなんであれ、皆さんする治療方法です。

白血病にも種類があり、抗がん剤の種類も人によって違います。急性骨髄性白血病でも『低形成性白血病』の為、白血球が減るタイプだったので、夫の抗がん剤の量は一般的な投与量より少なくなっています。

【抗がん剤の種類】
・「キロサイト」24時間の点滴5日間
・「イダマイシン」約40分 3日間

あくまで夫の場合で、抗がん剤の種類も量も人によって違います。7日~10日間の抗がん剤投与をする方が多いです。

抗がん剤の点滴準備

白血病の抗がん剤を腕から点滴することは、まずありません。

理由は

  • 『腕からでは点滴の量が入らない』
  • 『抗がん剤が漏れると良くないから』

と、主治医から聞きました。抗がん剤の副作用で食事が取れなくなることも多いので、そんなときには腕からでは十分な栄養を入れることが出来なく、腕の血管より太い血管(中心静脈)にカテーテルを入れるのだそうです。

事前の説明では足の付け根から入れると話を聞いていましたが、感染症のリスクを少しでも減らせるよう、結局首にカテーテルを入れることになりました。

これは抗がん剤が始まる前日に処置します。

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中心静脈カテーテル処置

【病室のベッドの上で処置】(夫の場合)

仰向けに寝て右側に入れる場合は左側を向きます

首の所だけ穴の開いたカバーを、頭の上からつま先まで掛けられる

首に麻酔の注射
これが痛い

しばらくして麻酔が効くと、カテーテルを挿入
麻酔のおかげで痛みはありません。ただ押されるような感覚がしますが、自分ではどこまでカテーテルが入っているのか、まったくわからなかったそうです。

抜けないよう皮膚に縫って!止める
夫の場合3か所で止めていますが、3か所目を縫うときが「凄く痛かった!」と。縫うときに「ここは痛いよ」と医者が言った通り痛かったので、わかっているならなぜそこに麻酔をしてくれないのか・・・

カテーテルを止めている患部の上から、動かないように保護テープを貼る
病院によってガーゼでカバーする場合もあります。

看護師さんに確認して初めて『カテーテルが心臓近くにまで入っている』ことを知り驚きました!

ある程度の太さがあっても、腕の点滴で入っている針(柔らかい素材)と同じくらいの長さかと思っていたので・・・

夫も首の挿入口は気にしていましたが、何も感じないので、まさか自分の体の中にそんなに長いカテーテルが入っているとは思いもしなかったようです。

処置後

レントゲン】
カテーテルがしっかりと中心静脈に入っているかレントゲンで確認します。

もしちゃんと入っていなければ、やり直しになるのでそれは避けたいですよね。実際隣の患者さんは、処置に時間がかかったあげく、やり直しになって可哀そうでした。

【処置時間】
夫の場合は約40分。これは処置する医者の腕によって変わってきます。夫の場合は1度で上手く入れてもらえたので、一般的な時間かわかりませんが、きっと担当医の腕が良かったんでしょう。

まとめ

中心静脈カテーテル

中心静脈カテーテルは最初こそ違和感があるようですが、それもすぐに慣れるようで、
入れてしまえば腕の点滴より楽です。

腕だと点滴が詰まって入らなくなり、数日で針の入れ替えが必要でしたが、中心静脈カテーテルは長期間入れたままにできます。何度も腕に針を刺す、わずらわしさがないのは楽ですね。

ただカテーテルを入れてから、お風呂の時以外、24時間点滴が必要になるので、たえず点滴と共に移動することになります。それがちょっと面倒ですね。

カテーテルを抜く時期は説明されませんでしたが、1度目は挿入口が痛み始めたので1週間ほどで抜いてもらいました。

2度目は現在入っているところで、11日目ですが皮膚が赤くなって痒みが出てきたので担当医と相談することになっています。(薬剤で拭いてもらうと痒みが治まったのでこのままになりました。)

カテーテルを抜いた後はしばらく傷跡が残ります。

夫は首の右側から入れましたが、2度目も同じところから入れたので、まだこれからも何度かするとなれば、傷跡は消えないでしょう。と言ってもそれほど大きな傷跡ではないです。

もし気になるようならカテーテルを入れる場所を相談してみてください。

命にかかわる病気の治療なのに傷跡を気にするなんてと思われるかもしれませんが、辛い治療なので少しでも自分の納得できる方法で治療することが大事だと思います。

縫う痛みがあるので夫は中心静脈カテーテルを嫌がっています。抗がん剤をするとなると毎回必要な処置になるので憂鬱な夫ですが、それでも入れてしまえば腕の点滴より楽だと言っています。(20019,11現在2回経験済み)