2019年11月、急性骨髄性白血病2回目の抗がん剤治療で入院。抗がん剤の副作用が酷くかなり大変でしたが、今も治療中なのが「真菌」です。
この真菌について簡単に紹介したいと思います。
真菌
キノコや酵母も真菌の一種で、地球上には10万種以上の菌種が発見されています。しかし、真菌の中のごく一部に人に有害なものがあります。
真菌は空気中やいたるところに存在していて、私たちの身体の中にもいます。普段であれば特に症状が出ることもありませんが、免疫力が低下すると症状があらわれることがあります。
【日和見感染症】
普段から体内に存在し、通常であれば悪さをしないような真菌が、免疫力の低下した時に発症する感染症。
【3種類の代表的な真菌症】
・表在性真菌症
真菌による感染が皮膚表面に留まる症状(水虫やたむしなど)
・深在性皮膚真菌症
真菌による感染が皮下組織や爪などに及ぶ症状
・深在性真菌症
真菌による感染が内臓など体内の臓器にまで及ぶ症状
近年では、抗がん剤や免疫抑制治療などの治療が進歩しているので、免疫力の低下した患者さんの深在性真菌症が増えてきているようです。
◎カンジダ症
カンジダ属菌が起こす感染症。皮膚や口腔、性器などに発症することが多いが、全身性のものもある。
◎アスペルギルス症
主に肺に発症するアスペルギルス属の真菌が起こす感染症。
◎クリプトコックス症
主に脳と脊髄を覆う組織(髄膜)や肺などに生じる、クリプトコックス・ネオフォルマンスという真菌が起こす感染症。
◎ムーコル症
主に鼻や副鼻腔、眼、脳、肺、消化器系などに発症する、接合菌による感染症の総称。
【診断】
・血液検査
・サンプルの培養と観察
【治療】
抗真菌薬の服用、注射、点滴による治療。
抗真菌薬はすべての菌に対して万能なわけではなく、薬が有効な菌とそうでない菌があり、真菌の治療は長期間になることもあります。
※抗生物質は真菌には効かず、症状を悪化させる場合もあるので注意が必要です。
真菌感染症|夫のケース
抗がん剤の副作用で骨髄抑制が起こり、好中球がほぼ0になっていました。
さまざまな副作用が起こっていましたが、急に高熱が出ることが何度かあったので血液検査をした結果「菌」が見付かり、その日から毎日「抗真菌薬の点滴」が始まりました。
この「菌」について担当医から「元々人の体の中にある菌で、免疫力が下がったから悪さをするようになった」と言われ、よくあることで珍しい事ではないそうです。
「菌=カビ」だと知ったときはカビ!?と驚いたけれど、カビが普段から体の中に存在するなんて、普通あまり知らないですよね。
知らないから点滴をすれば治るものだと思っていたら、大間違いでした。
・自宅では1日2回薬の服用
今5月半ば、未だに菌は消えていません!
こんなに時間がかかるものだと思いもしなかったのに、後になってから「菌をなくすのは難しくて治療に時間がかかる」と説明されたけれど、そうゆう大事なことはもっと早く言って欲しいですよね。
この菌が最初に比べると減ってはいるけれどまだ消えないので、今は急性骨髄性白血病の治療が出来ない一因です。
・「ボリコナゾール」 1日2回
自宅療養中、薬局で支払いの時に値段が高くてびっくりした薬です。主治医に薬の値段が高いので、他の薬に変更するかもしくは止めることが出来ないか聞いてみたけど、この薬が必要だそうです。
家にいる間、菌のせいで何か症状があるかと心配しましたが、37℃台の発熱が何度かあっただけで、他に気になる症状はありませんでした。なので、もう消えているんじゃないかと期待しても、外来に行き血液検査をするとまだ数値が高くて何度も落胆することに。
改めて「真菌感染症」は厄介なものだと思い知らされました。
現在、入院中なので週1回の血液検査(普通の血液検査は週2回)をして、抗真菌薬の点滴と服用で治療をしています。
※血液検査ではβ-D-グルカンを見ています。