全身麻酔に人工呼吸器が必要なわけと絶食・水分制限について

全身麻酔よりり子宮内膜症

卵巣嚢腫が検査の結果、チョコレート嚢胞だったので手術を希望しました。

結果的に手術ではなく、薬で様子を見ることになりましたが、いろいろ手術について調べているうちに疑問に思ったことが2つあります。

①「全身麻酔では必ず人工呼吸器が必要?」
②「手術前日から絶食・水分制限がなぜ必要?」

麻酔について調べたことを簡単に紹介したいと思います。

麻酔について

麻酔
手術中の痛みをとるだけでなく、手術を安全に行うために必要なもの

麻酔方法は、麻酔科医が手術内容、手術時間、手術部位、術前の検査結果、年齢などを考え、主治医と相談し決定されます。

⒈【局所麻酔】(脊髄くも膜下麻酔・硬膜外麻酔・神経ブロック)
意識はあり呼吸は保たれます。

・脊髄くも膜下麻酔・硬膜外麻酔
背中の中央部分から局所麻酔薬を注入
手術部位の痛みを感じなくする。

・神経ブロック
手術部位を支配する神経周囲に局所麻酔薬を注入
痛みを軽減させる。

※狭い意味の局所麻酔は、手術創部周辺や太い針で穿刺する部位に局所麻酔薬を浸潤させるような麻酔法を指す。他の麻酔の補助として用いることもあります。

⒉【全身麻酔】
点滴から麻酔薬を投与して意識をなくす麻酔。

睡眠とは異なるため呼吸は浅くなり、ときには停止することもあります。また、「筋肉を弛緩させる薬」を用いることも多いので、自力で呼吸ができなくなるため、全身麻酔中は人工呼吸が必要になります。

◎【手術前の絶食・水分制限について】
麻酔の際に嘔吐することがあり、嘔吐した物が気管や肺に入ると「窒息」「誤嚥性肺炎」を引き起こします。そのため、麻酔前は胃の中に食べた物が残っていない状態にする必要があります。

命に関わる事態となることもありますので、手術前の食事、水分制限は必ず守ってください。

全身麻酔の手順例

① 入眠
酸素マスクをして数回深呼吸の後、点滴を通して静脈から麻酔薬が入り10秒ほどで意識がなくなります。

② 気管挿管
筋弛緩薬(筋肉を動かなくする薬)を投与。口からのどの奥の気管まで直径1cmの呼吸用チューブを通します。確実に眠ったことを確認してから行われるので苦痛はありません。

③ 麻酔の維持
人工呼吸器が呼吸のサポートをします。吸入麻酔薬を使用する場合は麻酔ガスが肺から吸収され全身に周り、静脈麻酔薬を使用する場合は点滴から持続的に注入して、意識がない状態が保たれます。

④ 手術中
麻酔科医が患者の状態を一定に保つため、 麻酔薬や鎮痛薬の量を調整します。

⑤ 覚醒
手術が終了した時点で全身麻酔も終了します。麻酔薬(鎮静薬)の投与を止めてから2分~20分後、自分で呼吸が出来るようになったことを確認した後、呼吸用チューブが気管から抜かれます。

※術後も鎮静薬、鎮痛薬などを投与し続け、集中治療室(ICU)等で人工呼吸を続行することもあります。

【手術の麻酔3要素】
・鎮静(意識をとる)
・鎮痛(痛みをとる)
・筋弛緩(筋肉をゆるめる)

麻酔科医が、麻酔薬やその他の麻酔法(硬膜外麻酔などの局所麻酔法)を併用することで安全に手術が行われます。

【気管挿管】
人工呼吸のため、喉頭鏡(ハンドルにブレードのついた道具)を口の中に挿入し気管チューブを入れます。(このとき歯に接触し損傷することがあります。)※術後、喉の痛みを感じる、声がかすれるなどの症状が出ますが、自然に治ります。

参考 岡山大学大学院医歯薬学総合研究科
りんくう総合医療センター

麻酔を調べてみて

夫は手術経験がありますが、私はまだ一度もないので、手術を希望していたけどやっぱり不安がありました。

なのでいろいろ調べたのですが、麻酔は「ただ眠らせている」のかと思っていましたが、「睡眠とは違うもの」のようです。

  • 「一瞬で意識がなくなった」
  • 「あっという間の出来事だった」
  • 「何時間も経ったことが信じられなかった」
  • 「数秒で意識がなくなり目が覚めるまで一瞬だったから、まだ手術前だと思った」

など体験談を聞くと、やっぱり眠る感覚とは別みたいですね。

疑問だった人工呼吸器は
「麻酔だけでなく筋弛緩薬が使われると呼吸が止まるため、人工呼吸器が必要」だそうです。

術前の絶食・飲み物制限が、とても大切だってことも初めて知りました。

これから手術をされる方は不安もあると思いますが、手術中は麻酔科医が、側にいて麻酔の深さ、血圧、体温、脈拍、呼吸、出血量などを管理してくれます。あまり心配し過ぎず手術に臨んでください。

私もいつかは手術することになるので、今回調べていろいろ知ったことは良かったと思っています。