抗がん剤の副作用にはさまざまな症状があります。
しかし誰にでも同じ様に起きるわけではなく、患者さんによって全く起きない症状もあれば、重度の症状が起きることもあり、人それぞれ違いがあるのが副作用です。
抗がん剤治療による副作用の一つ、皮膚障害と夫の症状を紹介します。
皮膚障害
皮膚障害では主に3つの症状があります。
- 手足症候群
- 色素沈着
- 爪症状
①【手足症候群】
手のひらや足の裏など摩擦が生じやすい場所に発症します。
- 赤み
- 痺れ
- 痛み
- ほてり
- 知覚過敏
- 皮膚のかさつき
- ひび割れ など
「軽度」
ヒリヒリ、チクチクなど感覚の異常やほてり
何かに触れた時に不快に感じる知覚過敏
「中度」
赤みや腫れて痛む・皮膚が硬くなりガサガサする
水に触れると痛い・足の痛みによって長時間立つことがつらいなど
「重度」
手や足に激しい痛みが起きる・皮膚のガサガサがひび割れる・酷くなると水ぶくれができ痛みで歩くことが困難に・水ぶくれが破れると出血することもあります。
②【色素沈着】
皮膚が黒ずむ
手や足などに部分的に黒ずむこともあれば、全身が黒ずむこともあります。
③【爪症状】
爪の変色・変形・薄くなる・割れる
爪が変色して黒くなったり、弱くなり割れたり酷くなると爪がはがれることもあります。
【その他】
・発疹・紅斑
手足や体に発疹(赤いぶつぶつ)・紅斑(赤い斑点)が出る
かゆみをともなうこともあります。
・皮膚の乾燥
抗がん剤が皮膚の表面にダメージを与えるため、皮脂腺や汗腺の働きが損なわれ、皮膚が乾燥しやすくなります。皮膚の防御機能も低下し、かさついた皮膚に傷ができると細菌に感染するリスクが高くなるので、保湿ケアが大切です。
【予防】
- 全身を清潔に保つ
- シャワーはぬるめの温度で、肌の刺激を抑える。
- 刺激の少ないボディーウォッシュを使いよく泡立て、泡で洗う。
- ハンドクリーム、ボディーローションを使いシャワー後は保湿をする。
- 強い紫外線は避け、日焼け対策をする。
- 皮膚を傷つけないように気を付ける。
- 下着や洋服はゆったりしたもの、靴はやわらかくて歩きやすいものを選ぶ。
保湿のため塗り薬の使用の他、ステロイド外用薬の使用。
痛みが酷いときは鎮痛剤、かゆみにも薬を服用することがあります。
抗がん剤治療終了後、数カ月で徐々に治ります。
夫の皮膚障害
入院中の症状は、体の発疹・紅斑です。
紅斑は腕、胸、背中、太ももに見られましたが、血小板が少なくなっている時期だったので、そのためだと思っていました。これは痛みも違和感もないそうですが、ただ見た目がちょっと・・・
腕に数個できたブツブツは、痛みがあったので担当医に診てもらい塗り薬で対処しました。
夫を見て一番感じたのは、皮膚の黒ずみです。
特に腕や手は気になっていました。顔色も凄く悪かったのを、体調が悪くて顔色が悪いのだと思っていたけれど、今思えば皮膚障害で黒ずんで見えていたのかもしれません。
爪はよく見ると少し波打ったようになり、色も少し変色していました。
思い返せば、足が熱いと言ってベッドの冊に足の裏を付けて冷やしていたので、あれも手足症候群の症状の一つほてりだったんでしょうね。
退院後
お風呂に入ろうと服を脱ぐと、服に付いた大量の皮膚の粉!?
黒い服だったので目立って気持ち悪いくらい凄かったです。
特に脚が酷かったですが、全身の皮膚がかさかさになり剥がれ落ち、薬の影響で弱った皮膚が新しい皮膚にかわったようでした。冬で乾燥しやすかったのも原因のひとつかもしれませんが。
この同じ時期に、腕から肩、背中に発疹ができ痛いと言うので、急遽病院へ電話して血液内科を受診することに。帯状疱疹かと思って心配しましたが、診断結果はヘルペスで、飲み薬と塗り薬で治まりました。(ヘルペスと帯状疱疹の記事はこちら)
白血病や免疫力が落ちている方は帯状疱疹になりやすいようなので、もしかしてと思う症状があれば、早めに病院へ行ってください。
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