輸血
輸血が必要なのは、ケガや手術で出血をした時にするものだと思っていませんか。
私もそう思っていましたが、夫が白血病になり輸血をするようになって、初めて病気でも輸血が必要な事があるんだと知りました。
むしろ『がん患者さんや輸血をしないと命に係わる病気の為輸血を必要としている方』のほうが多いです。
病院では多くの方が輸血をされているのを目にしましたし、こんなに多くの方が必要としているんだと驚きでした。
大切な輸血の事を簡単解説したいと思います。
輸血が必要なとき
- ケガや手術で大量に出血した
- 病気で血液を必要な分つくれない
- 体内の有害物質を除去する
- 薬の効果を緊急に中和する など

血液が足りないと体にいろいろな症状が出て、命を落とす可能性もあります。
白血病のような血液の病気では、血が上手く造れなくなるので、補うために輸血が必要です。
抗がん剤治療でも、血液抑制が起こると輸血が必要になります。
血液の種類
酸素を体中に運ぶ役割をしているので、赤血球が足りないと酸素不足になり貧血になります。
出血のときに血管の傷をふさぐ役割。血小板が少ないと出血が止まらなくなったり、どこにもぶつけていないのにあざが出来たりします。
凝固因子が含まれていて、血小板とともに出血を止める役割。また栄養成分を体内の各組織へ運んだり、代謝老廃物を腎臓から排出したり、血圧の保持に役立っています。
体内に侵入した細菌、ウイルスなどを排除してくれる。白血球が少なくなると免疫力がさがり、感染症に罹りやすくなります。
輸血の種類
貧血の改善のための輸血
血液検査のヘモグロビン量で判断。7g/dLが一つの目安となっています。あくまで目安なのでヘモグロビン量が高くても輸血をする場合もあります。
赤血球輸血をすると貧血が改善されて、身体が楽になることが多いです。
数値が低いときに出血予防や出血症状の改善。
出血が止まりにくくなるので血小板の数値が低いと注意が必要です。
複数の血液凝固因子の欠乏による出血傾向の改善
血漿から取り出した「免疫グロブリン」「血液凝固因子」「アブルミン」「フィブリン接着剤」など
※白血球の輸血はありません。
輸血の流れ
輸血をする前に緊急時以外は必ず説明があり、同意書にサインが必要です。本人ができなければ家族が説明を受けたうえでサインします。
輸血にはまれにですが副作用がでることもあります。
【輸血前の検査】
適合性を確かめる検査。副作用を起こす可能性を少なくするためや感染症の検査など。外来で輸血の場合30分~1時間待つことになります。
【輸血】
副作用を早期発見するため輸血する前に検温、血圧測定。輸血前・5分後・15分・後終了後に確認します。
1パックを1単位。
約1時間~2時間で輸血します。
(病院や医師によって違いがあるのか、外来では1時間。入院時には2時間でした。)
輸血の前に検温、血圧測定。赤血球製剤より少ない量のパックなので1時間ほど。
副作用
じんましん・発熱・呼吸困難・血圧の変動・感染症など
他人の血液を体の中に入れるため、まれに副作用がでることもあります。
日本赤十字社では、献血時の問診、献血された血液の感染症検査(梅毒検査、B型肝炎ウイルス検査、C型肝炎ウイルス検査、HIV検査、HTLV-1検査)などを行い、安全な輸血用血液製剤の製造・供給に努めています。しかし、病原体がごく微量であるため検査で検出できないなどの理由により、輸血によって病原体が感染するリスクがゼロではありません。 日本赤十字社
まとめ
健康な人でも出産やケガ、病気でいつ輸血が必要になるかわかりません。
多くの方が抗がん剤治療をされるようになった今、治療過程で輸血が必要な患者さんが多くなっています。
赤血球輸血は見た目がそのまま血なのでわかりますが、血小板などは黄色の液体なので、見た目では血液からできているのが分からない物もあります。
他人の血液を体に入れることに抵抗がある方もいるかもしれませんが、輸血をしなければ助からない命もあります。副作用が出る可能性は0ではありませんが、今まで何度も輸血をした夫は副作用が出たことはありません。
夫は何度も輸血をして、これからも必要になります。
献血をしてくださった皆様には感謝しています
本当にありがとうございました。