自宅療養中の夫が下血しました。
いきなり便器に真っ赤な血を目にすると、かなりの衝撃です。
下血について調べるといくつかの原因があるので、下血について紹介します。
下血と血便
胃や十二指腸などから出血した症状
【血便】
赤い血が混じっている便のこと。大腸や肛門など下部消化菅から出血した場合に言う。
※正確には、下血と血便は出血する場所によって呼び方が違うようですが、一般的に出血があれば「下血したと」言うことが多いと思うので、このブログでは下血とします。
痔、胃潰瘍などの上部消化器官、大腸がん、大腸ポリープ、大腸憩室症（だいちょうけいしつしょう）、感染症腸炎、虚血性腸炎、潰瘍性大腸炎、炎症性腸疾患、クローン病、など。
下血の状態から、ある程度の原因部分や疾患を推定できます。
『鮮血便』
直腸や肛門からの出血の可能性が高い。
便器を真っ赤に染めるほどの鮮血は、痔核（いぼ痔）、裂肛（切れ痔）などの症状によくあります。直腸がんや直腸ポリープなどでもみられることがありますが、この場合には出血量がそれほど多くはありません。
『暗赤色便』
大腸の奥からの出血が便にまざっている状態。
大腸憩室出血、大腸炎（虚血性、感染性など）が疑われますが、小腸の疾患の可能性もあります。
『粘血便』
粘血とは、血液とベタベタした粘液が混ざったもの。
大腸の感染症、炎症性腸疾患が疑われ、下痢を伴う場合は潰瘍性大腸炎の疑いもあります。
『黒色便』
胃や十二指腸からの出血では血液の鉄分が吸収されて、便が黒く見えます。
胃潰瘍や十二指腸潰瘍、小腸潰瘍、小腸腫瘍が疑われます。鉄剤の服用も黒色便になります。
『潜血便』
便潜血検査で確認された出血。
血便は目で見て血が混じっていることがわかりますが、肉眼では見えないごく少量の血液が混じっていることがあり、それは便潜血検査でないとわかりません。
大腸がんなどの検査のひとつとしておこなわれ、大腸がん、大腸ポリープ、直腸がん、直腸ポリープ、痔による出血が便潜血として検出されることがあります。
※便潜血があれば、大腸内視鏡検査（大腸カメラ）で精密検査が必要です。
検査方法
【直腸検査】
下血の原因が痔を疑われる場合に行う検査
肛門から指を入れて腫れや腫瘤などの状態を確認する。または直腸鏡を挿入し直腸の状態を観察します。
【血液検査】
貧血をおこしているか、炎症の程度などを確認
【腹部エコー】
腸のむくみや炎症、虚血による下血の検査ができる
【大腸内視鏡】（大腸カメラ）
大腸の粘膜の状態を直接見て、病変を採取することもでき、簡単なポリープならその場で切除が可能。
【胃内視鏡】（胃カメラ）
上部消化管の疾患が疑われる場合におこなう。観察や採取ができ、止血の為に局所注射やクリップ止めなどの処置も可能。
検査で出血の原因を突き止め、治療をすることになります。
裂肛や軽傷の痔の場合には、軟膏など外用薬を使用し、経過を観察。改善しない場合にはイボの切除手術をすることもあります。
虚血性腸炎とは、血管が一時的に詰まって大腸粘膜に炎症や潰瘍ができる病気です。急な腹痛と下痢、血便が出ることが特徴で、左側腹部から下腹部にかけて強い痛みを感じます。
問診と腹部エコーでほぼ診断がつき、抗生剤の投与2～4日安静にすれば症状は良くなりますが、強い症状には入院での治療もありえます。
大腸がんは早期に発見すれば、ほぼ完治する病気です。ただ、自覚症状がほとんどないため定期的な検査が必要です。
下血｜夫のケース
トイレから出てきた夫の言葉
「便器が真っ赤・・・」
驚いて便器の中を確認すると、確かに真っ赤でした。
夫はかなりショックを受けていたけど、確か「真っ赤な鮮血の場合は痔」と何かで読んだことがあるので、たぶん痔でしょう。でも、夫は今まで何度も痔になっているけど、今回みたいな下血は初めてだし、いつものような痔の痛みは全くなかったそう。
この時は、血小板の数値もかなり下がって出血しやすい状態だったので、週明けに血液内科に行くことにしました。
血液内科では、予約はありませんでしたが主治医に連絡を取ってくれて、外来まで来てもらえました。
まず血液検査の結果は、1週間前に輸血をしたけど、かなり貧血も進んで血小板もさらに落ちていました。問診では「多分痔だと思うけど、一応検査したほうがいいから」と直腸検査をするため別室に連れていかれた夫。
結果、奥の方に痔があったそうです。
痔には今まで使っていた薬が残っているのでその薬を使うことにして、輸血をすすめられましたが3日後に入院予定だったので、入院してから輸血をすることにしました。
