火葬場
車で火葬場に移動し車を降りると、そこは思ったより大きく綺麗な場所で、葬儀なども行うことができるようです。
先に夫の棺が運ばれ、少しして私達も部屋の中に案内されます。
顔を見ることはできませんでしたが、順番に焼香し手を合わせました。
その後、隣の部屋に移動すると、そこはいくつか扉が並ぶ火葬の場所でした。
その扉が開いた一つに夫の棺が入れられ、ゆっくりと扉が閉められました。
夫が逝ってしまってから、病院では冷たい部屋で寝かされ、安置している間もドライアイスで冷やされ、寒い思いをしていることがずっと可哀想でした。
火葬の予定は約2時間で、私たちは下の階にある広い待合室へ移動し待ちます。
他に誰もいなかったのは、この待ち時間の間に多くは「仕上げの料理」といわれる食事をするからですが、この食事も私は省かせてもらいました。
この日は朝から天気も良く、夫を見送るには良い日になると思っていたのに、外を見ると雨が降っています。あんなに晴れていたのにかなりの雨で、夫が火葬されている間ずっと降り続けていました。
時間になり、係の方と一緒に上の階に移動します。
収骨
骨になった夫を台のまま隣の部屋に移動し、収骨です。
まだ熱い夫の骨が横たわる台の真ん中に骨壺が置かれ、火葬場の方が足の先から、どこの骨なのかを説明し、順番に骨壺の中へ納めていきます。
足の指から細かく説明されたので、夫のお骨をしっかりと見ることができ、それぞれの部位から少しずつ収骨できました。そして喉仏の説明があり、骨壺に収めると最後に頭の骨をかぶせて収骨が終わりになります。
そのため骨壺も小さなサイズが多く、私も打ち合わせのときに見せられたものは、思っていたものよりかなり小さくて驚きました。ただ、骨壺のサイズが選べたので、選択できる中で一番大きなものを選びました。
収骨が終わり蓋をされましたが、私は係の方に「もう少しお骨を拾うことが出来ますか?」と思わず訊ねていました。
蓋を開けてもらい、小さな骨ならまだ入れることが出来たので、出来るだけ多くのお骨を入れました。それでも、残された夫のお骨は多く、できることなら夫のお骨は全て持って帰りたかったのに、残念です。
弟の車で火葬場を後にする頃には、あれだけ降っていた雨もあがり、太陽が見えていました。
10月23日
今日、10月23日は夫の誕生日です。
去年は夏から入院していて、9月の私の誕生日は病院でお祝いしてくれました。
10月23日、今日と同じように辛い日になるかもしれませんが、これからも毎年夫の誕生日を祝いたいと思っています。
誕生日おめでとう。