火葬・収骨

火葬・収骨白血病ブログ

火葬場

車で火葬場に移動し車を降りると、そこは思ったより大きく綺麗な場所で、葬儀なども行うことができるようです。

先に夫の棺が運ばれ、少しして私達も部屋の中に案内されます。

夫との最期のお別れです。
顔を見ることはできませんでしたが、順番に焼香し手を合わせました。

その後、隣の部屋に移動すると、そこはいくつか扉が並ぶ火葬の場所でした。

その扉が開いた一つに夫の棺が入れられ、ゆっくりと扉が閉められました。

夫が逝ってしまってから、病院では冷たい部屋で寝かされ、安置している間もドライアイスで冷やされ、寒い思いをしていることがずっと可哀想でした。

夫の身体がなくなってしまう悲しさよりも、やっと寒さや冷たさから解放され、暖めてあげられることが嬉しいと私は思っていました。

火葬の予定は約2時間で、私たちは下の階にある広い待合室へ移動し待ちます。

他に誰もいなかったのは、この待ち時間の間に多くは「仕上げの料理」といわれる食事をするからですが、この食事も私は省かせてもらいました。

この日は朝から天気も良く、夫を見送るには良い日になると思っていたのに、外を見ると雨が降っています。あんなに晴れていたのにかなりの雨で、夫が火葬されている間ずっと降り続けていました。

時間になり、係の方と一緒に上の階に移動します。

私一人が部屋に入るように案内され、火葬が終わり、扉が開いて夫が出てくるのを確認するように言われました。
扉から出てきた夫は本当に白い骨だけの姿で、目の当たりにするとショックを受けるかと思っていましたが、意外と冷静だったことは自分でも不思議です。

収骨

骨になった夫を台のまま隣の部屋に移動し、収骨です。

以前収骨した時は、二人で一緒にお骨を箸で持ちましたが、今回は「ついになっていない箸」を使うことで、それぞれがお骨を拾う方法でした。

まだ熱い夫の骨が横たわる台の真ん中に骨壺が置かれ、火葬場の方が足の先から、どこの骨なのかを説明し、順番に骨壺の中へ納めていきます。

足の指から細かく説明されたので、夫のお骨をしっかりと見ることができ、それぞれの部位から少しずつ収骨できました。そして喉仏の説明があり、骨壺に収めると最後に頭の骨をかぶせて収骨が終わりになります。

関東では全部のお骨を収骨するそうですが、関西では一部のみ収骨し、残りの遺骨は火葬場が供養するようになっています。

そのため骨壺も小さなサイズが多く、私も打ち合わせのときに見せられたものは、思っていたものよりかなり小さくて驚きました。ただ、骨壺のサイズが選べたので、選択できる中で一番大きなものを選びました。

収骨が終わり蓋をされましたが、私は係の方に「もう少しお骨を拾うことが出来ますか?」と思わず訊ねていました。

蓋を開けてもらい、小さな骨ならまだ入れることが出来たので、出来るだけ多くのお骨を入れました。それでも、残された夫のお骨は多く、できることなら夫のお骨は全て持って帰りたかったのに、残念です。

骨壺は箱に入れられ白い布で包まれて私に渡されたので、骨箱を腕に抱くと温かく、まるで夫の温もりのようで、やっと夫が私の元に帰ってきてくれたと感じました。

弟の車で火葬場を後にする頃には、あれだけ降っていた雨もあがり、太陽が見えていました。

10月23日

今日、10月23日は夫の誕生日です。

去年は夏から入院していて、9月の私の誕生日は病院でお祝いしてくれました。

夫の誕生日も家に帰るのは無理かもしれないと思っていたけれど、夫は頑張ってくれたので退院することができ、家でお祝いできたことを二人で喜んでいました。
今年の誕生日も一緒に過ごせると信じていたのに、今日、夫がいないことがとても残念で、寂しくて辛い一日になりました。

10月23日、今日と同じように辛い日になるかもしれませんが、これからも毎年夫の誕生日を祝いたいと思っています。

誕生日おめでとう。

2020-10-23