その選択は正しかったと思うしかない

選択白血病ブログ

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夫は若い頃に何度か入院したことがあるので、昔はそれほど健康な体ではなかったようです。

でも、私が出会った頃には何も薬を飲んでいなかったし、結婚してアメリカに住んでいる間ほとんど風邪をひくこともなく、私よりも元気に動き回っていました。

「アメリカの気候が体に合っていたから元気になった♪」と夫がよく言っていました。

最初に住んだロサンゼルス、その後ラスベガスとどちらも晴れた日が多く、空には本当に綺麗な青空が広がり、湿気のない乾燥した空気が夫には合っていたのかもしれません。

何もかもが大きくおおらかで、良い意味で適当だったり、あまり細かい事を気にしない気楽さは、日本の生活とは違ったものがありました。

帰国を選択

いろいろ考えた結果、日本へ帰ることを選択しましたが、この選択にはかなり迷いました。

その後の事を考えると、この時帰って来て良かったと思っていますが、正しい選択だったのかは分かりません。あのまま向こうにいたらどうなっていたんだろうと、今でも考えます。

アメリカ生活が長かった夫には、帰国して久しぶりの日本の生活に慣れるまで大きなストレスがあったはずです。

50才手前で仕事を探すことも、初めての仕事に慣れることや、自分よりかなり若い人に教えてもらわなければいけない事は、本当に大変だったと思います。

日本に帰ってきてからしばらくして近所の診療所へ行くと、血圧が高く薬を飲むことになりました。年齢的なこともあるけれど、精神的な面でも体に負担がきていたんじゃないでしょうか。

膀胱癌が発覚した時には「日本へ帰ってきたことで癌になったんじゃないか」と思いました。

でも、あのままアメリカにいてもなったかもしれないし、よく考えたら日本に帰って来ていて良かったのかもしれません。

膀胱温存療法を選択

アメリカの医療の方が進んでいるかもしれませんが、膀胱癌で膀胱全摘と言われた夫が受けた『膀胱温存療法』は、日本各地だけでなくアメリカからも患者さんが来ていました。

治療には時間がかかりましたが、膀胱を残せたことはとても大切なことで、以前と同じ生活を送れるようになりました。

癌になってしまったけれど、痛みにも我慢して治療し、もうこれで夫は大丈夫だと安心していたのに、数年後白血病になるなんて本当にショックでした。

私でもショックを受けたのだから、夫はどれだけショックで不安だったろうと今更ながら考えてしまいます。

夫は白血病になったのは「膀胱癌の抗がん剤のせいだ」と言っていました。

確かに血液検査の数値をみると、治療後から下がり始めているのであの治療が原因かもしれませんが、膀胱全摘を選択していたら、普通の生活には戻れなかったんじゃないでしょうか。

膀胱全摘すれば治療方法も違うから、白血病にはなっていなかったかもしれません。でも、白血病になるなんて誰にもわからなかったことです。

どちらを選択することが正しかったのか私にはわかりませんが、あの時は膀胱を残せる治療方法があるのだから、膀胱温存療法を選択して当然だったと思っています。

治療には副作用もあるし、どんなことが起こるかを事前に全て知ることも出来ません。

夫が白血病になり、肺炎で命を落とすことになったことは、辛く悲しい事で後悔もありますが、そのとき最善の選択をしたと思うようにしています。

 

海外ドラマや映画好きな方におすすめです。PCでもスマホでも見れますし、まだ見たことのない方はぜひ一度試して下さい。