むくみ
抗がん剤治療で良く起きる副作用にむくみがあります。
他の副作用に比べると重大な症状ではないと思われがちですが、直ぐに対処しないと体に悪い影響を及ぼすむくみもあります。むくみには個人差があり、むくみがとれなく辛い思いをされている患者さんがいるのも事実です。
白血病の為、抗がん剤治療をしている夫のむくみを紹介したいと思います。

体の中の水分が異常に増加し、うまく排出できなくなり体に溜まってしまった状態。
むくみは多くの方が経験したことがあるんじゃないでしょうか。
朝起きると顔が腫れぼったい、履いていた靴が夕方には窮屈になる、指輪が抜けない、急に体重が増えるなどの症状があります。
体重が増えても太ったわけではなく、細胞と細胞の間に水が溜まった状態で、指で押してみると跡が残り、なかなか消えないのがむくみです。
むくみにはあまり心配しなくても良いものと、注意が必要なむくみがあります。
◇心配しなくて良いむくみ
水分の摂り過ぎ、塩分の摂り過ぎ、運動不足、同じ姿勢を長時間するなどで起こるむくみ。
時間の経過や塩分を控える、軽い運動をするなどで改善されます。
◇その他のむくみ
- 臓器の異常によって起こるもの
- 抗がん剤など薬が原因
- 手術の後遺症
- がん自体が原因によるもの など
全身がむくむ場合もあれば、片脚、片腕など一部分だけがむくむこともあり、特に手術が原因のむくみは長期間治らないこともあります。
※酷いむくみは2~3日で5㎏以上も体重が増加することがあります。
夫のむくみ
5日間の抗がん剤点滴開始、1日目から始まった「むくみ」。
24時間の抗がん剤、抗生剤を朝夕2回、その他 輸血をすることもあり、点滴で体の中に入れた水分量は多かったです。そのため多少の体重増加は仕方のない事ですが、徐々にむくみが目立つようになりました。
最初に気が付いたのは靴下の跡です。
いつもはほとんど目立つことがないのに、跡が付いたままもどりません。しばらく足をマッサージしてみると、改善したようなしないような・・・
手を確認すると指輪がきつく抜けなくなり、顔も少しふっくらしていて、食事を食べている量は少ないのに、最近太ったと話をしていたところでした。
利尿剤
尿の量を増やし、体内の余分な水分や塩分を排出する
尿は腎臓でつくられますが、腎臓は尿の量や濃度を調節し体液を一定に保つようにしています。
尿が少ないと体内の水分量が増え、心臓に負担がかかります。そのため利尿剤で尿の量を増やし、体内の余分な水分や塩分を排出します。
副作用としてミネラル(ナトリウム・カリウムなど)のバランスが崩れることがある。
多量の水分・塩分を取ると体内の水分量が減らず、心臓の負担が軽減されないので、水分・塩分の摂り過ぎには注意が必要です。
利尿剤を服用した夫
利尿剤を服用後しばらくすると、トイレに行く回数が増え始めました。が、今度は頻繁に行くようになり、5分10分間隔でトイレに急ぎます。
酷いときはトイレから帰ってきてベッドに座ったとたん、また行きたくなる。
体調が悪い中これはかなり大変でした。
昼間だけならまだしも、夕方に利尿剤を飲んでしまうとトイレに頻繁に行くので、寝ることが出来なく寝不足になった夫です。
利尿剤のおかげで2㎏ほど体重が落ち、むくみも改善しました。
ですが、何度もトイレに行くのが大変だった夫は「利尿剤はもう飲みたくない」と言っています。
この時は点滴で水分が体に入っているから飲む必要がないと思い、あまり水分摂取をしていなかったんですが、それが良くなかったようです。
2度目の抗がん剤治療中は、水分を飲むようにし、トイレに行く回数を増やすとむくみも少なく、利尿剤を飲むこともありませんでした。
まとめ
抗がん剤の副作用のむくみは、普段の生活でよく起こるむくみとは少し違うので、むくみ解消のマッサージや体を動かす、食事に気を付けるなどではあまり改善しない、もしくは改善するまで待てません。
体の負担を軽減するため利尿剤を使用することが多くなります。
利尿剤の効果は個人差があるかもしれませんが、同部屋の患者さんで利尿剤を服用された方達も、同じように何度もトイレに行き大変だと言っていたので、利尿剤を飲むときは心構えが必要です。