旅立ちの装い

旅立ち白血病ブログ

夫らしい姿に

夫の身体はとても痩せてしまいました。

私は入院中、毎日見て体に触っていたので、痩せたのはもちろんわかっていましたが、実際目で見るのと写真で見るのとは、かなりの違いがあります。

入院中、夫の写真を何枚か撮っています。

今見ると、以前の夫からは考えられないくらい、痩せています。写真のほうが一層痩せて見えるので、可哀想で可哀想で本当に見るのがつらいです。

こんなになるまで頑張ってくれたことに、改めて夫に感謝しています。

夫の旅立ちの装いは
・白のTシャツ
・ブルーのシャツ
・ジーンズ
・プーマの白のキャップ

夫を知っている方には、とても夫らしいと思って貰える、いつもの夫の姿です。

私が初めて会った時からかぶっていた、トレードマークの『白いキャップ』

まだ夫と付き合う前の私は、ベガス仲間の皆さんと「きっと髪の毛が薄いから隠してるんだよ」と噂するくらい、いつも帽子をかぶっていました。

あるとき帽子を脱いでもらったら、想像とは全然違って髪の毛はフサフサで、帽子の変な癖がついていたから、皆で笑ったことを覚えています。

日本に帰ってきてからも、仕事へ行くときも買い物へ行くときも、病院へ行くときも散歩でも、出かけるときは必ず帽子をかぶっていました。

だから、最期にも帽子をかぶらせてあげたかったんです。

夫の好きな装いで見送れたことは、私にはとても嬉しい事です。

ただ、棺の中でドライアイスに冷やされた夫は、痩せた体に一層寒そうで本当に可哀相でした。

だから、火葬されてお骨になった夫を見た時、悲しかったですが、「もう寒くないね」と安心した思いの方が強かったです。

夫の骨はとてもしっかりしたものでした。

係の方から、足の指から順番にどこの骨なのか説明してもらい、骨壺に収めていきました。

最後に白い布に包まれた骨箱を渡されて、胸に抱くとまだ暖かく夫の温もりのようで、夫を側に感じられとても嬉しかったです。

今の夫は昨日の写真のように、少しふっくらした姿でいてくれることでしょう。

その姿を皆さんにも覚えていて欲しいと思います。