白血球(好中球)が減少した時の食事制限|夫の場合

食事制限病院 入院生活

白血球(好中球)減少

抗がん剤治療をすると、副作用による骨髄抑制が起きることがあります。

【骨髄抑制】 
抗がん剤により血液をつくる骨髄の動きが抑制され、白血球・赤血球・血小板が減少する症状。この3つの血液成分が減少することで、それぞれ感染症・貧血・出血などの症状が起きます。

白血球は、ウイルスや細菌を攻撃する免疫機能を担っています。

白血球の一種「好中球」が減少すると、病原菌に対する抵抗力が弱まるため、感染症を引き起こしやすくなるので、注意が必要となります。

好中球の数値によっては「食事制限」をする必要があり、食べない方がいいとされる食品もあります。それは「食事による消化管感染症の発症」を予防するためです。

【好中球の目安】
500/µL以下になると注意が必要

食事制限

【食事についての注意点】

食品は新鮮なものを選ぶ
・加熱して食べる
調理後は2 時間以内に食べる
・生ものは避ける
(生卵・刺身・生肉・生野菜・生クリーム)
・発酵食品は避ける
(納豆・チーズ・自家製ヨーグルト・ぬか漬け・ドライフルーツ)

※これらはあくまで感染予防のためなので、制限されている食品を食べても、必ず感染症にかかるわけではありません。

【その他注意点】

  • 感染を予防する為に、食事や調理の前に手洗い・うがいをする。
  • ペットボトルなど直接口を付ける飲み物は、飲み切れるサイズを選ぶ。
  • 賞味期限に注意する。

牛乳・ジュース・プリン・ゼリー・ヨーグルト
無菌充填、加熱殺菌の表示のある物を選べば食べることが出来ます。

生野菜
鮮度のいいものをよく洗い、カットしてすぐに食べるのであれば大丈夫だそうです。

果物
新鮮で傷のない物を選び、基本的には皮をむける物にする。また、よく洗い食べ残しは食べない。

ナイフや包丁、まな板を使う場合は使用前によく洗うようにして下さい。

薬によっては食べてはいけない食品があるので、医師に必ず確認してください。

好中球減少中 夫の食事

米国の診療ガイドラインでは、「抗がん剤治療中に生ものを禁止するという根拠は乏しい」と記載がされるようになったそうです。

普通の人が食べても食中毒や重症感染症を起こすような、鮮度の落ちた物・生肉などはもちろん駄目ですが、野菜や果物などは、新鮮なものをよく洗って食べれば、あまり問題がないと言われています。

【夫の好中球 5/11】
好中球 (基準値)
67  (2000ー7500 /µL)

この数字をみると、かなり基準値より低いことがわかりますが、食事についてはそれほど厳しく言われていません。

入院中であれば病院食を食べるので、普通は出されたものを食べれば良いですが、夫は味覚障害、嗅覚過敏、食欲減退により、まったく病院食を食べられなくなりました。入院生活も長く、何度も入院しているので、精神的なことも一因だと思います。

主治医と相談し、病院食は止めてもらい、食事は私が持って行ったものを食べています。

夫が病院内のコンビニで買うこともありますが、これも免疫力が低下しているので、病院に外来の患者さんが来る前の、早朝30分間だけ許可されています。(外来が休みの日は他の時間も利用できます。)

最初はお弁当を作って持って行きましたが、味覚障害で食べられるものが減ったので、今はご飯だけで後は買ったものを持って行くようになりました。家から病院まで遠くなく、2時間以内に食べることが可能なため出来ることです。

【夫が食べているもの】
ご飯・トマト・納豆・目玉焼き・豆腐・インスタント味噌汁・バナナ・オレンジ・牛乳・野菜ジュース・ヨーグルト・食パン・菓子パン・ゼリー飲料・アイソカル100

ほぼ毎日同じものを朝昼晩と分けて食べています。

「納豆やヨーグルトはダメじゃないの?」

と言われそうですが、夫がどうしても納豆を食べたいと言うので、担当医に確認したところ「食べても良い」と許可をもらえました。

病状には個人差があるので、食べたいものがあれば自己判断しないで、必ず主治医に確認するようにして下さい。

抗がん剤の副作用では、吐き気や食欲不振、味覚障害が起こることがよくありますが、治療を続けるには体力が必要ですし、カロリー摂取のために食事はとても大切です。

【免疫力が低下しているときは】

  • バランスの良い食事をとる
  • 生ものは避け加熱したものを食べる
  • 新鮮で傷のないものを食べる
  • 野菜や果物は良く洗う

など心がけることも必要ですが、一番は食事を楽しむことです。

体に良い悪いではなく、たまには好きな物を食べて、治療を頑張っている心と体にご褒美をあげてください。

夫も利用していますが、医療・介護の現場でも採用されているそうです。