抗がん剤の副作用|血糖値上昇その①高カロリー輸液

血糖値白血病・治療

夫は毎日糖尿病の薬を飲んでいました。

でも、それは軽いもので重度の糖尿病ではありません。

しかし、抗がん剤治療の為の入院中、血液検査の結果でいきなり血糖値が306に!
(正常な数値は73~109㎎/dL)

糖尿病でなくても血糖値が上がることがあるので、なぜ夫の血糖値が上がったのか理由を説明します。

栄養輸液の点滴

抗がん剤の副作用には食欲不振があります。
他にも食べられない理由は

  • 腹痛
  • 下痢
  • 吐き気
  • 嘔吐
  • 口内炎
  • 味覚障害 など

食事が食べられないと栄養不足になるので、栄養輸液の点滴をすることになります。

栄養輸液の点滴は2種類

  1. 末梢静脈栄養
  2. 中心静脈栄養

①末梢静脈栄養

一般的な腕に針を刺して投与する点滴です。
簡単に処置が出来る点滴ですが、投与できるエネルギー量の上限は1000kcal程度。

栄養状態が悪く、長期間口から栄養がとれない場合には必要な栄養が足りないので、高エネルギーを投与できる中心静脈カテーテルなどの処置が必要になります。

腕の点滴では高濃度の輸液を点滴できない理由
腕の血管に高濃度の輸液を点滴すると血管痛や静脈炎症を起こし、やがて血管が閉塞するから。

②中心静脈栄養(高カロリー輸液)

高濃度の栄養輸液を中心静脈から投与することで、必要な栄養素を補給する。

通常1日の必要量を24時間かけて投与します。

中心静脈カテーテル
鎖骨や首にある血管から挿入し、心臓近くの中心静脈という大きな血管に入れたままにするカテーテル。(夫の中心静脈カテーテルの記事はこちら

心臓に近い上大静脈は太く血流が多いため、高濃度の輸液を投与しても瞬時に大量の血液で薄められ、血管への影響が少ない。

✔食事ができない期間が1週間~10日までは腕の点滴から投与され、それ以上の長期間になると予想される場合は中心静脈からの投与になります。

栄養輸液の点滴で、血糖値の上昇が起きることがあります。

血糖値が高いと傷が治りにくく、免疫系が抑制されている状態では感染症を起こしやすくなります。また、高血糖状態のままだと糖尿病を発症し、合併症を起こして命にかかわることもあるので注意が必要です。

参考Otsuka 株式会社大塚製薬工場

夫の血糖値上昇

栄養輸液

夫は抗がん剤治療が始まる前日に中心静脈カテーテルを入れる処置をし、抗がん剤や抗生剤などこのカテーテルから投与していました。

【食事を食べられなくなった原因】

  • 高熱
  • 食欲不振
  • 腹痛
  • 味覚障害

これらの症状で病院食が全く食べられなくなったので、中心静脈カテーテルから高カロリー輸液の投与が始まりました。

すると、血液検査の結果「血糖値306!」と、とんでもない数値になったのです。

驚いて担当医に相談すると
「高カロリー輸液で血糖値が上がることがある」とのことでした。

事前に知っていれば驚くこともなかったですが、そんなことがあるとは知らなかったので、300なんて数値を初めて見た夫と私はかなり不安になりました。

血糖値が上がっても、食事が食べられるようになるまで輸液の点滴は必要です。血糖値を下げるための飲み薬を増やしましたが、数値は200を超えることが多かったです。

中心静脈カテーテルを入れている間は高カロリー輸液、抜いてからは腕から栄養輸液を入れていました。

栄養輸液についてですが、私達は高カロリー輸液をしているから、食事をしなくても大丈夫なんだと思っていました。でも、後から担当医に聞いたら高カロリー輸液にも種類があって、夫に投与されていた輸液だけでは一日に必要なカロリーには足りないと言われたんです。

そんなこととは知らずに食欲がないならと、食べるように無理に勧めなかったのでかなり痩せてしまいました。体重は測っていたけれど、24時間の点滴をしていたので体はむくんでいて、そんなに痩せていると気づかなかったんです。

食事をするようになって輸液をやめてからも血糖値は高めで、治療前の数値には戻らなかったので退院して自宅療養中も、薬は以前より多く飲んでいます。

栄養輸液だけでなく、血糖値が上がった原因はもう一つあるので、その②で紹介します。

夫のように糖尿病の方は血糖値が上がりやすいですし、糖尿病でない方もなるべくなら栄養輸液に頼らずに自分で食べることが一番だと思います。もちろん食べるのが無理なら栄養輸液をうけてくださいね。

血糖値が高い方や、気になる方、病院へ行っていない方はご家庭での測定も必要です。血糖値が高くても、自覚症状がないからとほっておく方も多いですが、他の病気を重症化させることがあるので注意が必要です。酷くなると失明や足の切断などの可能性があるので、病院を受診するか生活習慣を変えるようにしてください。