安置室
夫が安置された場所は、安置室と言っても家族控室でした。
12畳ほどの和室の一画に、スペースがあり夫が安置されています。隣にも2畳ほどの控室が繋がっていて、広すぎず、窓があり明るい部屋だったことは良かったですね。
キッチン、冷蔵庫、湯呑・コップ、急須・茶葉、座卓、座椅子、座布団、半紙、色紙、便箋、色付きサインペン
机、椅子、鏡
夫はドライアイス、掛布団、短刀を胸に置かれ、台の上のストレッチャーに横たわっていましたが、顔には白い布を掛けられていたので、私は何度も布をめくり夫の顔を見ていました。
打ち合わせが終わったことを両親に知らせると、来てくれることになったので、両親が到着したら一度家に帰って上着を持ってくることにしました。
それまで何もすることはなかったので、ただ夫の顔を見て触って泣くしかなかったです。
両親が来てくれたとき、夫をお棺に納棺しようとしていた時で、そのままの夫に会ってもらえました。夫が夫らしい洋服を着た姿を最後に見てもらえた事は良かったと思います
白いTシャツ・水色のチェックのシャツ・ジーンズ・白い靴下・プーマの白い帽子
夫の好きだった長袖のシャツの袖をいつものようにまくり、トレードマークの帽子をかぶった姿は、本当にいつもの夫の姿です。ただ、痩せてしまったことだけが、何度見ても可哀想でした。
納棺されると蓋をするので、顔は窓から見えても透明な仕切りがあるので、夫にふれることは出来なくなります。
両親が来てくれたので少し夫に待っていてもらい、一度家に帰ることにし、1時間ほどで再び戻ってきました。
家に帰るとどっと疲れがきましたが、疲れた体でブログを書いていました。夫の事を心配してくれている方が何人もブログを見てくれていたので、報告しなければと思ったからです。
でも、こんな報告はしたくなかった。「肺炎にも白血病にも負けずに元気になりました♪やっぱり夫は普通じゃなかった!」そう報告できると思っていたのに、本当に残念です。
ゆっくり夫を偲ぶ一日
翌日は朝から夫の遺影にする写真を探していました。
10時に夫の元へ行きたかったので、急いでパソコンに保存された写真を見ていると、目に付いたのは夫が幸せそうに笑っている一枚です。
サイズを調節してプリントすると、フォトスタンドと昔のアルバムを持って家を出ました。
自然な夫の写真なので、哀しみや寂しさが募りますが、笑顔を見るたび幸せも感じます。
1日時間ができたので、両親、弟、夫と私共通の友人が来てくれ、アルバムの中の夫を見ながら夫を偲ぶことが出来ました。翌日のお別れの時に、手紙などを入れることが出来ると聞いたので、それぞれに書いてもらい、お棺に入れることにしました。
普通ならもっと準備に追われることになると思いますが、これほどゆっくりした時間が取れたのは、直葬にして余計な事を全て省いたからで、これで良かったと改めて思っています。