大切な人を亡くして起きる「複雑性悲嘆」

複雑性悲嘆白血病ブログ

複雑性悲嘆

私のように夫を亡くした方に限らず、恋人や家族など最愛の人に先立たれると、誰もが大きな悲しみに襲われます。

嘆き悲しむことは当然の反応ですが、それが長期間、激しく続き日常生活や社会生活に影響を及ぼす状態は「複雑性悲嘆(ふくざつせいひたん)」といわれます。

分かりやすく言えば「夫ロス症候群」なんだと思います

・亡くなった人のことが頭から離れない
・強い孤独感や寂しさを感じる
・強い怒りを感じる
・亡くなった人を探してしまう
・亡くなった人のいない人生は無意味だと感じる
・亡くなったことを思い出すものや状況を避ける

亡くなってから1年以上大きな悲しみが続き、日常生活に支障をきたす状態で、気持ちの面だけではなく体に影響がでることもあります。

・うつ病
・心的外傷後ストレス障害
・睡眠障害
・薬物乱用
・希死念慮
・高血圧
・心疾患  など

上記の症状などは気を付けなければいけません。

大切な人を失ったショックや悲しみから、仕事や学業、対人関係などさまざまな面で支障が出る場合もあるので

「大切な人を亡くしたのだから悲しむのは当然」
「落ち着くまでそっとしておこう」

と、ただ見守るのではなく、適切な支援が必要になります。

乗り越えるために

大切な人を失ったとき、悲嘆することは当然です。

亡くなった方を想い涙し、亡くなったことが信じられなく拒否したり、もっと何かできなかったのかと後悔することも多く、自分を責め追い詰めてしまう事もあります。

私もこのような思いで毎日過ごしていました。

夫を亡くして2カ月と少したちましたが、何もする気が起きない事や人に会いたくない、食欲がない、眠れないなどの状態が続いています。

いずれ時間がたてば、変わってくると思っていましたが「複雑性悲嘆」を起こす方もいて、必ずしも時間が解決してくれると限らないことを知りました。

家族や友人に支えられ、乗り越えることが出来る方は良いですが、周りに支えてくれる人がいても、感情を外に出さずに一人で耐えている方も多いと思います。

でも、乗り越えるためには「大切な人の死を受け入れる」事が大切です。

『悲しみ・喪失・怒り・不安・無気力』
いろんな感情を一人で抱えて生活していくことは、本当に大変です。自分の心と体を守るためにも、友人や家族、医師、カウンセラーなど専門家に話すようにして下さい。

私の場合は人と会うのが嫌なので、このブログTwitterに書くことが本当に助けになっています。自分の気持ちを出すことはとても大事で、気持ちの整理にもなりますし、何より少し気分が楽になります。

Twitterには辛い気持ちや不安を吐き出しても、優しい言葉をかけてくれる方も大勢います。また同じように大切な人を亡くした方の思いを知ることもできます。

辛く苦しいのは自分だけではないと思うことで、楽になることもあります。

どんな手段でもいいので、ただ辛さや苦しみに耐えるのではなく、自分に合う方法で自分を楽にしてあげて下さい。

家族や友人に、大切な人を亡くしたことから長く立ち直れないでいる方がいたら、寄り添い話を聞いてあげることや、専門家に相談することも考えてみて下さい。

大切な人が亡くなったことを受け入れるのは、想像以上に辛いものです。私も経験してこんなにも辛いものなのだと知りました。

夫が亡くなることは辛くて悲しいことだけれど、夫の闘病中に少しは覚悟ができていたつもりでした。夫も本当に頑張ってくれたし、私も出来るだけの看病をしたのだから、それほど後悔することもないと。

でも、じっさいは大きな悲しみと後悔にさいなまれています。

今はそう感じることも自然のことなのだと思うようにし、自分にできることだけをする日々です。1年後、悲嘆するだけでなく、前に進んでいたいと思います。