白血病の夫が闘病の合間に書く「今までの人生」ロス編の続きです。
初めての方は最初からご覧ください。
手痛い失敗
幸せの絶頂にいた俺でしたが、ここから暗雲が・・・
よく航空券を買ってくれたTさんと仲良くなって色々話をし、Tさんの会社の役員になる事に。
高額の報酬が入るって言われて役員になったから、旅行会社の仕事は従業員に任せ、Tさんの会社へ入り浸り。そのころTさんから「役員なんだからこれからは航空券を都合するように」と言われ出張のたびに航空券を用意する俺。
その仕事で、いろんなとこへ行きましたね～ジュネーブ、ロンドン、パリ、そしてトロントへ。
各都市の関係者に交渉するのはTさん一人。俺ともう一人の役員Bさんは、ただその交渉の席に座っているだけ。特にBさんは日本から来た人で英語は全くダメ。俺も旅行会社での英語はわかってもそのビジネス関係の英語はさっぱりだったんです。
結果は全然契約にならず、各都市への航空券全部こっちもちで、それもTさん、Bさん、俺3人分のビジネスクラス！高額報酬が入ると思って手配したのに大損です（涙）
Tさんからは、アメリカの政治家や日本の政治家さんやらが関与していると説明され、写真も見せられ、Bさんは大企業の創業者の身内だし、必ず儲かると言われたんです。
それに、親会社である会社の役員が事務所に来て挨拶もしたし、疑う余地がなかったんですよね。
でも、まったく契約成立なし・・・。
その内、親会社は潰れちゃうし、さすがにもうダメだろうと、航空券代の支払を交渉しようと会社へ行ったら、鍵が閉まっている！まさかと思って中を覗くともぬけの殻・・・
当時その会社で働いていた女性に連絡を取ったら、なんと彼女「ある重要な書類」を持っているって！
早速その書類を受け取りに行って事務所に持ち帰り、どうしてやろうか考えた挙句の策が、ある所へ送ること。なんでかと言うと、大物政治家の奥さんが絡んでいるって話だったから。
数日後、返事があったけど内容は覚えてないんですよね・・・
銃撃！
その後、車で走っていたら
なんと、銃撃されたのです！！！
幸い狙われたのは車。
俺の頭じゃなくて良かった・・・
あれは「これ以上首を突っ込むな」って脅しだったんでしょう。
その時事故は起こさず、車の修理工場に持っていき見てもらったら、タイヤに穴が開いていた・・・さすがにゾッとしましたね。
それから、なんかどっかから見られているって感覚がずっとあって、事務所近くには見たことのない車がずっと止まっていて中には人が・・・。その目つきの鋭さ！どう見てもただ物じゃない。特に気味が悪かったのが爪！
今でも忘れない、あのピカピカした爪が異様でした。
これは本当にヤバイなと思い、それから一切その事を忘れることにしたから、今も生きているのかもしれません。
映画の世界みたいな話しだけど、本当にあった経験です。
【６】へつづく