川縁の散歩
今日も晴れていたので、川まで歩きに行きました。
行先はいつもとは反対方向で、よく行くスーパーとは違う小さなスーパーがあります。
家を出てしばらく真っすぐ歩き、右に曲がると小さなスーパー。ここは今どき珍しく現金しか使えないので、たまにしか買い物はしなかったけれど、散歩の帰りによく夫と立ち寄ったお店です。
スーパーへ行く道を曲がらずに、そのまま真っすぐどんどん歩いて行くと、橋がかかった目的の川。この川縁を歩くのが夫は好きでした。
水も少ない小さな川だけど、上流の山に向かって歩きながら、途中何度も魚がいないか立ち止まって探してました。なかなか見つけることは出来なかったからこそ、見つけると嬉しかったですね。
住宅街や道路を歩くときは違い、この川縁を歩くときは、周りの景色を見ながらゆっくりとした散歩を楽しんだものです。
二つ目の橋を渡り、今度は反対の川縁を歩いて帰ります。二人で歩いているときは、とくに話をしながら歩いているわけじゃありませんでした。
夫が白血病と診断されてから移ってきた場所なので、ここでの生活は病気と共にありました。体調も優れない日も多かったけれど、そんな中歩いていたとき「夫は何を考えていたのだろう」と思うんです。
貧血が進み体の痛みもあったし、思うように動けない身体で歩くこと。途中で何度も休憩が必要になったこと。歩くことで自分の変化を嫌でも自覚することになり、どれだけ辛く不安だったのかと。
それでも、景色を見ながら歩いていたことが、少しでも夫の癒しになっていればと思います。
写真
今日、橋の上から川と山を見ていると、久しぶりに見た景色を思わず写真に撮りました。
いつもなら夫が撮り、その姿を横で見ていたのに、今は夫と同じことを私がしていることを可笑しく思っていたら、なんだか横に夫がいる気がしました。
アメリカにいたころ、写真を撮ることも夫には大事な仕事の一部でした。デジカメを手に毎日あちこち出かけては写真を撮る日々。
私も一緒だったので結構大変だと思っていましたが、夫は好きだったんでしょうね。だから病気になってから、あの頃と同じ様に毎日散歩に行って、花や景色の写真を撮っていたんだと思います。
闘病中でもそんな時間があったことを想うと、少し気が楽になります。