良い夫婦の日
一人になるとこんな日は寂しくなります。
夫がいてくれたら、うちも良い夫婦だと言えるのに、今は「良い夫婦だった」と過去形でしか言えないことが辛いです。
良い夫婦と言っても、何も特別だったわけじゃありません。記念日にプレゼントもなかったですし、高級レストランに食事に行くこともありませんでした。
アメリカにいたころは、知り合いの方達と食事に行くことも多かったので、高級なお店にもたびたび行っていたけれど、私は庶民的なお店のほうが好きなんですよね。
だから帰国してから高いお店に行くことはなくても、私はそれで良かった。アメリカでは必需品だった車も日本では買わなかったから、いつも出かけるのは電車やバス。それも全然嫌じゃなかった。
夫は以前の暮らしと比べて、生活水準が落ちたことを気にしていたけれど、本当に私は平気だったんです。住む場所があり、一緒に居られて普通にご飯が食べられ、二人で笑っていられる。それだけで幸せでした。
夫と私は、一緒に居るのが当然で、仕事以外どこに行くのも一緒。
スーパーの買い物も病院も二人一緒です。
夫が膀胱癌になった時も、白血病になった時も、治療すれば治ると信じていたし、この先もずっと一緒だと当然のように思っていました。
こんなに良い夫婦なんだから、おじいちゃんおばあちゃんになるまで一緒にいるはずだと。
それなのに・・・
どんなに良い夫婦でも別れは避けられない事ですが、良い夫婦であればあるほど、残された者は寂しく辛く苦しい思いをしなければいけない。それが悲しい現実です。
今は辛く悲しい毎日ですが、幸せな良い夫婦でいれたことを夫に感謝しています。
良い夫婦でいれたのは夫のおかげです。
短気ですぐに口答えをする私を、よく我慢して大事にしてくれました。夫でなければ良い夫婦だったと胸を張って言えなかったと思います。
夫へ、「17年間、良い夫婦にしてくれてありがとう!」